ドンペリニヨンやベルエポックなどシャンパンを買取店に査定や買取の依頼をした際、買取店から「正規品ですか?」「並行品ですか?」と聞かれた経験はありませんか?
この「正規品」と「並行品」の違いによって、買取価格が変わったこともあるかと思います。
本記事では、年間7万本以上のお酒を取り扱うプロの視点から、シャンパンの「正規品」と「並行品」の違いについて分かりやすく解説いたします。
正規品とは?
「正規品」とは、「正規代理店」が輸入したシャンパンを指します。
シャンパンの生産者であるメーカーと日本の企業が直接契約を結び、正規代理店として認定され、公式の流通ルートを通じて輸入・販売されているシャンパンとなります。
ワインショップや百貨店の値札には「正規品」と書かれていることがありますが、実際のボトルラベルに「正規品」と書かれていることはほとんどありません。
正規品のシャンパンは「正規品」と書かれていない代わりに、正規輸入業者の名前が記載されたラベルが貼られていることを確認すれば、正規品であると判断できます。
並行品とは?
「並行品」とは、「並行輸入品」とも呼ばれており、シャンパン生産者であるメーカーではなく「ほかの国」の卸業者や酒販店などを通じて日本に輸入されたものを指します。
例えば、シャンパンの場合、シャンパンの生産地であるフランスから輸入するのではなく、アメリカや東南アジアなどの業者が自国に輸入したものを、さらに日本に輸入したものになります。
つまり、並行品は「正規代理店を通さないルートで入ってきたシャンパン」だと覚えておくとわかりやすいですね!
また「並行品」のラベルについては、「正規品」ラベルと比較して後ほど説明します。
「正規品」と「並行品」の価格の違い
実は、正規品と並行品ではラベルの違いだけでなく「価格の違い」もあります。
ワインショップやネットで購入する販売価格ももちろん、買取店での買取価格も「正規品」と「並行品」で価格の差があり、「正規品」の方が高く、「並行品」が安くなる傾向があります。
買取店で査定を受ける際に「正規品ですか?」と聞かれるのは、正規品と並行品で買取価格が異なることが理由です。
また、正規品と並行品の価格の差について、次の理由が挙げられます。

輸出、保管コスト
「正規品」は、メーカーから輸出される際、コンテナなどを使用するため一定数量の購入が必要です。
また、シャンパンの品質にとって重要な湿度や温度管理の効いた倉庫で保管され、輸出の際も定温輸送(リーファーコンテナ)を利用するケースが多く、輸送・保管コストが生じています。
一方、「並行品」は流通経路が不明なため、常温輸送などの可能性もあり、品質の劣化が生じているリスクがあります。
プロモーション
メーカーと契約した「正規代理店」は、シャンパンの宣伝のために広告費用が必要です。
無名のシャンパンなら尚更ブランド認知度の向上のため、多くの広告費用が必要となります。
その反面、並行品は輸入や販売にかかる広告費用などのコストが抑えられているため、その分価格が安くなっています。
為替
「正規品」の場合、メーカーからリリースされたタイミングで購入するため、リリースされた為替レートで一定数量を購入しなければなりません。
「並行品」は、為替レートの良いタイミングで購入することができ、フランスではないほかの国での為替レートでも購入可能なため、コストの削減が可能です。
品質保証の違い
先ほど紹介した3つの「輸出、保管コスト」「プロモーション」「為替」が大きな理由となり、「正規品」と「並行品」に価格差が生じています。
さらに、飲む方が特に気になる「品質保証」の違いもあります。
「正規品」は、品質管理が徹底され、万が一の液漏れや品質劣化などのトラブルにも対応していますが、「並行品」は基本的には保証がなくアフターサービスの違いも生じています。
「正規品」と「並行品」のラベルの違い
前述の通り「正規品」は、メーカーと契約した正規代理店が取り扱っており、各シャンパンにその正規代理店の名前がラベルに記載されています。
正規代理店は、メーカーとの契約により商標権のあるロゴの使用が認められています。
そのため、正規品のラベルには正規代理店の名前とシャンパンのロゴが記されるほか、日本の法律に基づいた輸入元・アルコール度数・内容量などを記載した日本語ラベルになっています。

ロゴの入っていないラベルが貼られているボトルは、並行品の可能性があり、輸入業者によりラベルのデザインや表記に違いがあります。

正規代理店メーカー一覧
有名銘柄のシャンパンの正規代理店は下記の通りとなります。
MHD モエ ヘネシー ディアジオ
ドンペリニヨン、クリュッグ、モエ エ シャンドン、ヴーヴ クリコ、アルマン ド ブリニャックなど
ペルノ リカール
ペリエジュエ ベルエポックなど
ラックコーポレーション
サロンなど
エノテカ
ルイ ロデレールなど



正規代理店は、契約により変わる可能性があるため、メーカーのホームページを確認することも必要です。
例えば「アルマン ド ブリニャック」は、以前「ADB JAPAN社」での輸入となっていましたが、2022年1月より「MHD モエ ヘネシー ディアジオ社」が取り扱いを開始しています。
買取価格の違い
「正規品」と「並行品」は輸入などよるコストの違いが大きな理由ですが、品質保証の違いも価格の理由とも言えます。
買取店もシャンパンを買取し再販するにあたり、品質面はリスクになるため買取価格にも影響があります。
また「並行品」は輸入経路が不明なため、偽物が出回るリスクがあります。
そのため「正規品」の方が安心して取り扱えるのも大きな理由となります。
シャンパンの買取・ご購入時にぜひご参考になれば幸いです!
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